錦光山和雄の「粟田焼&京薩摩」Blog

京都粟田窯元で「京薩摩」の最大の窯元であった錦光山宗兵衛の孫によ

真夜中の観覧車:錦光山和雄初期短編小説集より

丘陵の上にある病室から観覧車がみえた。観覧車は、夕方になるとライトアップされ、夜空に色とりどりの光を点滅させている。光の点滅が止まると、三本の太い鋼管で支えられた観覧車の円い縁の白いイルミネーションだけが光っている。 夏も終わり近くなり、少…

少年の日のびわ

#房総びわ 少年の日 屋根にのぼりて びわの実を 口いっぱいに頬ばりて 大きなタネを飛ばしけり #房総びわ #初物 #台風被害からの復旧応援

大阪薩摩・藪明山の新たなる発見&知見: YABU MEIZAN

平成記念美術館ギャラリー「藪明山の世界」展より 私が敬愛しております大阪歴史博物館・学芸員の中野朋子さまより大阪歴史博物館・研究紀要(第19号)掲載の論考をご恵送たまわりました。 そこには中野朋子さまが長年研究されてこられた藪明山の新しい知…

追憶のオーガスタ:The Memory of Augusta

松山英樹がマスターズトーナメント優勝という快挙をなしとげた。 TV画面を見ていて、オーガスタの記憶がよみがえってきた。 2005年4月7日から10日、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで開催されるマスターズトーナメントを見れ…

「錦光山宗兵衛伝」の秘密:The secret of Kinkozan Sobei ,the story of a Awata Kiln

「京都粟田焼窯元錦光山宗兵衛伝」 「錦光山宗兵衛伝」の秘密とはなにか。 秘密といっても自らの不手際をさらすようなもので決してほめられるようなものではありません。 まず冒頭の画像をご覧ください。そこに拙著「京都粟田焼窯元錦光山宗兵衛伝」の表紙を…

「アートがわかると世の中が見えてくる」拝読記

前崎信也著「アートがわかると世の中が見えてくる」 京都女子大学准教授の前崎信也先生の「アートがわかると世の中が見えてくる」を読んで、久しぶりに目からウロコが落ちる思いがしました。前崎信也先生のこの本で目からウロコが落ちたことはいくつかありま…

アーティゾン美術館で「琳派」の系譜を見る

アーティゾン美術館の「琳派と印象派 東西都市文化が生んだ美術」展を見てきた。 同展によると、琳派というのは、京都の裕福な呉服屋・雁金屋の次男で尾形乾山の兄であった尾形光琳(1658-1716)の「琳」から付けられた名称であるが、師として直接教えを受け…

世界的な脳機能学者・苫米地英人博士のお父様、苫米地和夫様のご逝去を悼む

世界的な脳機能学者の苫米地英人博士のお父様の苫米地和夫様が、9月20日午前8時22分、ご逝去なされました。苫米地和夫様は旧日本興業銀行(現みずほ銀行)常務、和光証券(現みずほ証券)社長・会長をなされ、日本証券業協会、経団連などの理事を歴任…

BANKSY GENIUS OR VANDAL ?:バンクシー展 天才か反逆者か

LOVE IS IN THE ATR 横浜で開催されている「バンクシー展 天才か反逆者か」を見てきました。 私はバンクシーというのは、街角の壁に落書きを描く、サブカル的でパンクなスト リート・アーティストかと思っていましたので、彼がスタジオでいろいろな材料を使…

語学・英語系の老舗出版社の開拓社の新刊情報のご案内

昭和2年創業の語学・英語系の老舗出版社である開拓社の大変ご好評をいただいております新刊18点のご紹介です。 最後にコロナ禍でキャリアアップ&収入アップのためにTOEICなどの英語資格試験の受験の合格を目指すなど英語を学んでいる方のために開拓社の…

英語の達人になる道:クリエイティブな右脳をトレーニングして、"英語脳”をつくる

写真協力:苫米地英人博士 昭和二年創業の老舗・語学系専門出版社であり、①1973年刊行のホーンビーの 「新英英辞典」(下記画像参照)②2005年の発売以来、いまだに版を重ね大好評を 博しております、当社の永遠のロングセラーで、いつも座右において…

多治見の陶器師・高木典利先生のおもてなしの流儀:The way of Mr.Takagi's hospitality

©平正窯 高木典利 多治見市市之倉の陶器師で近代陶磁器研究家の高木典利先生の平正窯(ひらまさがま)にお伺いしました。 平正窯 多治見市市之倉 Hiramasa Kiln Tajimi Ichinokura 平正窯をお伺いしまして驚いたことは、展示内容が昨年お伺いした時とは様変…

横山美術館「京焼ーその技が歴史をつくる」展拝観記:Yokoyama Art Museum"Kyoto wear"

錦光山宗兵衛Ⅶ 透彫朝顔図花瓶 Kinkozan Sobe Vase with morning glory ©横山美術館 名古屋の「横山美術館」の「京焼ーその技が歴史をつくる」展を見てきました。 多治見の平正窯(ひらまさがま)の陶器師で近代陶磁器研究家の高木典利先生が「素晴らしい展…

西川満と葉石濤:日台を結ぶ浪漫的な絆

昨年の2019年4月23日、わたしは台南の街にいた。 翌日、わたしの恩師西川潤先生のお父様の西川満氏の著作が収蔵されている真理大学の「台湾文学資料館」を訪問する予定になっていたのである。 その日、わたしは朝タクシーで「安平古堡」に向かい、次…

横山美術館の「京焼」展・講演会中止のお知らせ

©横山美術館 5月17日に予定されておりました、横山美術館さまの「京焼ーその技が歴史をつくる」展の講演会「世界に雄飛した京焼・京薩摩ーその魅力を探る」が、新型コロナウイルスの影響で残念ではございますが、中止されることとあいなりました。 皆様の…

横山美術館の講演会中止のお知らせ

横山美術館「京焼」展の開催期間が7月19日まで延期されます:Yokoyama’s exhibition"Kyoto-ware" extended

上絵金彩花蝶図花瓶 錦光山宗兵衛 Vase with flower&butterfly design,overglazed with gold Kinkozan Sobee ©横山美術館 冒頭の画像は横山美術館さまの企画展「京焼ーその技が歴史をつくる」展に展示されている錦光山宗兵衛の「上絵金彩花蝶図花瓶」です。 …

横山美術館「京焼」展がNHK日曜美術館「アートシーン」で紹介予定

©横山美術館 錦光山宗兵衛「盛上網文葡萄図花瓶」 Kinkozan SobeeⅦ Vase with mesh and vine design,Moriage 来週4月12日(日)、NHK(Eテレ)日曜美術館の「アートシーン」にて 名古屋の横山美術館様の「京焼ーその技が歴史をつくる」展の下記の内容な…

わが恩師西川潤先生を偲ぶ:地球を破滅から救うために 

わたしの恩師、早稲田大学政経学部名誉教授の西川潤先生は、国際経済分野で高名な経済学者でした。 その西川潤先生が2018年10月2日、Global Social Economy Forumという国際フォーラムに参加するため訪れていたスペイン・ビルバオ市にて永眠されまし…

横山美術館の講演会が5月17日に延期になりましたのでよろしくお願い致します。

鴛鴦飛翔図ティーポット 錦光山宗兵衛 「ギャラリー史(ふみ)」所蔵 皆様には大変ご迷惑をおかけしまして申し訳ございませんが、 名古屋の横山美術館様のわたくしの講演会「世界に雄飛した京焼・京薩摩ーその魅力を 探る」が、新型コロナウイルスの影響で当…

ミュージカルCATS:再生への物語・Touch me、 you'll understand what happiness is

ミュージカルCATSを、ロンドンのウェストエンドの劇場で、役者が舞台を降りてすぐそばまで来て演じてくれたりして見たときも、出張でシカゴの劇場で見たときも、猫たちのアクロバティクな踊りに魅了されたり、”Memory"の歌唱の素晴らしさには痺れましたが、…

横山美術館講演会「世界に雄飛した京焼・京薩摩ー魅力を探る」

・錦光山宗兵衛(Kinkozan Sobei) 後列左(Left) 上絵花鳥図花瓶 前列左(Front Left) 上絵金彩燕図花瓶 前列右(Front Right) 上絵金彩蓮図花瓶 ・帯山与兵衛(Taizan Yohei) 後列右(Right) 上絵金彩花鳥図花瓶 以前のブログでもご紹介しましたが、4月5日…

横山美術館「京焼・その技が歴史をつくる」展開催:Kyoto Kiln・The Task touched the History by Yokoyama Art Museum

横山美術館 「京焼・その技が歴史をつくる」展 ポスター The Poster of Kyoto Kiln・The Task touched the History by Yokoyama Art Museume (c)Copyright 横山美術館 名古屋の横山美術館で今年3月14日から6月14日まで「京焼・その技が歴史をつくる」…

セントルイス万博の錦光山:Kinkozan in St.Louis Exhibition 1904

色絵菊花文透彫花瓶 七代錦光山宗兵衛 アシュモレアン博物館蔵 Art Nouveau style vase with chrysanthemum Kinkozan SobeiⅦ Ashmolean Museum 、University of Oxford 皆様、新春をお慶び申し上げます。 今回、第五回内国勧業博覧会、日英博覧会に続きまし…

錦光山作品来歴「顛末記」Ⅱ・日英博覧会編:Kinkozan in JAPAN BRITISH EXHIBITION 1910

「菊模様花瓶」七代錦光山宗兵衛 迎賓館赤坂離宮・和風別館[游心亭] Chrysanthemum design Vase Kinkozan sobei in State Guest House AKASAKA PALACE、Yushintei この「顛末記」の前編で書きましたように、 敬愛する大阪歴史博物館学芸員の中野 朋子さま…

錦光山作品来歴「顛末記」Ⅰ・第五回内国勧業博覧会編:Kinkozan in 5th National Industrial Exhibition in 1903

「老農婦像 」 七代錦光山宗兵衛・沼田一雅 オックスフォード大学・アシュモレアン博物館 「A ceramic figure of elderly female farmer」 Kinkozan SobeiⅦ&Numata Ichiga Ashmolean Museum・University of Oxford 私が敬愛しております藪明山研究の第一人…

幸福路のチー、切ないアイデンティティの揺らぎ:Sad of swaying identity on Happiness Road

台湾の長編アニメ「幸福路のチー」 On Happiness Road in Taiwan 台湾のアニメ「幸福路のチー」を見てきました。 主人公のリン・スーチーが生まれたのは蒋介石総統が死去した1975年4月5日と、なにやら意味ありげに設定されています。 大学を卒業してア…

夢窓国師茶会とよみがえる「築地明石町」:The Tea Ceremony&A Beauty in the Kaburaki Kiyokata

鏑木清方記念美術館 KAMAKURA CITY KABURAKI KIYOKATA MEMORIAL ART MUSEUM 夢窓国師ヲ想フ、瑞泉寺茶会に参加してきました。 参加した理由のひとつは、石立僧としての夢窓国師と瑞泉寺の庭に惹かれたことでした。 初冬の朝、訪れる人もまだまばらで、本堂の…

第三夫人と髪飾り、陰翳の濃い官能の世界:The Third Wife by Ash Mayfair

第三夫人と髪飾り 14歳の第三夫人メイ The Third Wife ,14 years ,May この映画は、抑圧された女性たちの愛と哀しみを甘美な官能とともに描いた作品であると思われます。 物語は、14歳の少女メイが渓谷にかこまれた絹の産地の父親ほど年の離れた大地主の…

鏑木清方、明治の面影を描く:Good old days by Kaburaki Kiyokata

最近、私は明治のおんなたちを描いたものを執筆したこともこれあり、失われてい く明治の時代を惜しみ、市井の人々の暮らし、とりわけ女性のささやかな生活の何気な い情景を描いた鏑木清方(1878~1972)の代表作〈築地明石町〉〈新富町〉〈浜町河 岸〉の「…