2019-01-01から1年間の記事一覧
「菊模様花瓶」七代錦光山宗兵衛 迎賓館赤坂離宮・和風別館[游心亭] Chrysanthemum design Vase Kinkozan sobei in State Guest House AKASAKA PALACE、Yushintei この「顛末記」の前編で書きましたように、 敬愛する大阪歴史博物館学芸員の中野 朋子さま…
「老農婦像 」 七代錦光山宗兵衛・沼田一雅 オックスフォード大学・アシュモレアン博物館 「A ceramic figure of elderly female farmer」 Kinkozan SobeiⅦ&Numata Ichiga Ashmolean Museum・University of Oxford 私が敬愛しております藪明山研究の第一人…
台湾の長編アニメ「幸福路のチー」 On Happiness Road in Taiwan 台湾のアニメ「幸福路のチー」を見てきました。 主人公のリン・スーチーが生まれたのは蒋介石総統が死去した1975年4月5日と、なにやら意味ありげに設定されています。 大学を卒業してア…
鏑木清方記念美術館 KAMAKURA CITY KABURAKI KIYOKATA MEMORIAL ART MUSEUM 夢窓国師ヲ想フ、瑞泉寺茶会に参加してきました。 参加した理由のひとつは、石立僧としての夢窓国師と瑞泉寺の庭に惹かれたことでした。 初冬の朝、訪れる人もまだまばらで、本堂の…
第三夫人と髪飾り 14歳の第三夫人メイ The Third Wife ,14 years ,May この映画は、抑圧された女性たちの愛と哀しみを甘美な官能とともに描いた作品であると思われます。 物語は、14歳の少女メイが渓谷にかこまれた絹の産地の父親ほど年の離れた大地主の…
最近、私は明治のおんなたちを描いたものを執筆したこともこれあり、失われてい く明治の時代を惜しみ、市井の人々の暮らし、とりわけ女性のささやかな生活の何気な い情景を描いた鏑木清方(1878~1972)の代表作〈築地明石町〉〈新富町〉〈浜町河 岸〉の「…
龍潭寺庭園 Ryotan-ji Zen Buddhism Temple Garden 遠州浜松の臨済宗妙心寺派の名刹、龍潭寺の庭園は小堀遠州の作と伝えられていま す。 庭園の五つの築山のなかで一番高い築山の中腹には、下の写真にありますように、ご 本尊をあらわす守護石が置かれ、その…
碧雲荘 西門 青い空と白い雲、まさに碧雲荘、長屋門の彼方に東山が望める West gate Hekiunso 日本の名園、野村碧雲荘を拝観して参りました。 碧雲荘は、野村證券の創業者である野村徳七翁(号、得庵 1878~1945)が、庭師、 植治こと七代小川治兵衛(1860~1…
世界的なパイプメーカーの(株)柘製作所の柘恭三郎会長にお招きいただきまして、貴重なコレクションを拝見してまいりました。 柘製作所といいますのは、柘恭三郎会長のご先祖が、金沢の刀鍛冶をされていた刀工であったそうで、それが幕末の廃刀令で職がなくな…
色絵金彩紅葉図花瓶 錦光山宗兵衛 Kinkozan Sobei 藪明山が海外のコレクターから非常に人気があり、高い評価を得ていることは知っていましたが、実際に藪明山の作品を実見したのは、京都の清水三年坂美術館に行った際に、錦光山作品とよく似た細密な作品があ…
苫米地英人博士の還暦祝賀会が帝国ホテルの富士の間で開催され、お祝いに行ってきました。 冒頭、藤末参議院議員の祝辞があり、また、リングス代表の前田日明さまの乾杯がありました。 多くの参会者が会場を埋め尽くしておりましたが、TOKYO MXTVの月曜日の…
金襴手岩上観音座像 十二代沈壽官 「華麗なる薩摩焼展」にて 12th CHIN JUKAN 十五代沈壽官様とお会いしました。 昨年の鹿児島黎明館で開催されました「華麗なる薩摩焼展」ではお会いできませんでしたので、今回東京赤坂の春帆楼でお会いできまして、私とし…
パナソニック汐留美術館の「マイセン動物園展」に行ってきました。 同展によりますと、ザクセン選帝候のアウグスト強王はその権力を誇示するために宮廷動物園を磁器で再現しようとして、大量の動物彫像が作られたそうです。 その動物彫像はそれぞれに時代を…
箱根の岡田美術館で「金屛風展」が開催されており、「フランス人がときめいた日本の美術館」でも紹介され、また私もひょんなことからこの美術館には以前から関心があったので行ってみることにしました。 OKADA MUSEUM OF ART まず最初に小涌園にある瀟洒な建…
東京藝術大学大学美術館で「円山応挙から近代京都画壇へ」展が9月29日(後期9月3日から大展示替え)まで開催されています。 私がこの展覧会に興味を持ったのは、ひとつには、ある案件で錦光山宗兵衛のお抱え絵師も含めて京都の絵師が、京薩摩だけでなく…
Kinkozan Sobei (6) Vase with flower and bird design ,overgladed wiith gold 常々わたしがリスペクトしております、「近代国際陶磁研究会」の創立者で 多治見の「平正窯」の現役の窯元・陶器師でいらっしゃいます高木典利先生のご自宅を訪問させていただ…
名古屋の横山美術館で、その精巧さと華麗さで世界を驚かせた「SATSUMA」の選りすぐり作品が一堂に展示されています「魅了する 煌めく薩摩」展が開催されています(2019年6月1日~10月31日)。 本薩摩、京薩摩、東京薩摩、横浜薩摩、加賀薩摩、産地不詳の薩摩…
The Digital Archive of Kinkozan Sobei' pictures: family&factory.etc kinkozan Sobei(Ⅵ) 将来の粟田焼・京薩摩研究の一助となることを願って立命館大学アートリサーチイセンター様に錦光山宗兵衛関係の古写真をデジタル・アーカイブ化していただきました…
Kinkozan Kiln in kyoto 拙作「京都粟田焼窯元錦光山宗兵衛伝」において一部掲載しました錦光山宗兵衛関連 の古写真を、将来の粟田焼・京薩摩研究の一助になることを願い、立命館大学アート・ リサーチセンター様にデジタル・アーカイブ化していただきました…
美術商「ギャラリー史」高橋悟様ならびに高橋親史様からご案内いただきましたので ご紹介させていただきたいと思います。 下記にございますように、水戸市の京成百貨店6階アートギャラリーにて2019年 5月9日(木)から15日(水)に開催されます「明…
淡水河の流れ 西川満は、台湾の日本統治時代の台湾在住の日本人作家のなかで最も代表的な作家・詩人である。だが戦後の戒厳令時代、彼の文学が皇民化運動の走狗として批判され、戒厳令後の台湾民主化にともなって再評価されるようになったが、わたしには、西…
台南の 孔子廟に面した通りに咲く鳳凰木 西川満をめぐる台湾の旅に出かけた(文中、敬称略)。 最初、台南に向かった。 西川満の鄭成功の孫をめぐる幻想的な小説「赤嵌記(せつかんき)」の舞台となった赤嵌楼を訪れるためである。 なお、鄭成功というのは、…
東京国立近代美術館(The National Museum of Modern Art TOKYO)で開催中の 「MOMATコレクション(Museum Collection Gallery)」展におきまして 七代錦光山宗兵衛(Kinkozan SobeiⅦ)の 上絵金彩花鳥図蓋付飾壺(Jar with lid, flower and Bird design, ov…
A person who lives in foreign country can buy an overseas edition of this book,"Kinkozan Sobei : the story of an Awata Klin ーA study of Kyo-Satsuma, Kyoto ceramics that touched the world" through Amason. However please remind, this book i…
泉屋博古館分館の「華ひらく皇室文化ー明治宮廷を彩る技と美ー」展(The Blossoming of Imperial Culture Technique and Aesthetic in the Adornments of the Meiji Court)を見てきました。 今回の同展は、皇室や宮家の慶事や饗宴のときに金平糖などを入れ…
3月のある日、わたしは、かつて竹林と松にかこまれた清水山のどこかに山県有朋が最初につくった無隣庵の名残りがあるのではないかと思って、吉田清水山を訪れた。 吉田清水山界隈はのどかなところであった。わたしが山裾にある梅林のそばにたたずみ、たまた…
(2)オックスフォード大学付属アシュモレアン博物館 (Ashmolean Museum,University of Oxford) 1 色絵菊花文透彫花瓶 七代錦光山宗兵衛 1900-1905年 Earthenware vase Kinkozan SobeiⅦ 1900-1905 アール・ヌーヴォー様式 (2)色絵金…
皆さまへ 国内、海外の錦光山宗兵衛(含む錦光山工房)の作品を写真で展示する美術館を立ち上げてみることにいたしました。ここに掲載します画像は、わたしの拙作「京都粟田焼窯元錦光山宗兵衛伝」の口絵と一部重複しますが、プライベートオンリーの使用であ…
2019年1月元旦の日本経済新聞の文芸欄で、文芸評論家の池上冬樹さんが、「平成ベスト5」の小説として、打海文三の「裸者と裸者、愚者と愚者、覇者と覇者」の「応化戦争記シリーズ」を選んでくださった。 池上冬樹さんは、この小説を「いまなら孤児たち…
最初に斎藤清の名前を聞いたのは恩師の西川潤先生からでした。 2018年6月21日に西川潤先生のご自宅に先生のお父様であり、会津出身の詩人で作家の西川満先生の資料をもらいに伺ったときに、斎藤清という方は、「会津の冬」シリーズで有名な木版画家で…