パナソニック汐留美術館の「マイセン動物園展」に行ってきました。
同展によりますと、ザクセン選帝候のアウグスト強王はその権力を誇示するために宮廷動物園を磁器で再現しようとして、大量の動物彫像が作られたそうです。
その動物彫像はそれぞれに時代を映して、多種多様なものが作られたそうですが、そのなかのひとつとして《猿の楽団》があり、これは人間を風刺したものだそうです。
Monkey Orchestra
次は目の悪い仕立て屋が目の悪い山羊に乗って、晩餐会にたどりつけない様子の彫像で、これも風刺的意味合いが強いそうです。
ヨーロッパの陶磁器はなかなかユーモアがあるといいうか、エスプリが利いているというか結構辛辣なところがあるようです。
Tailor Riding a Goat
同展によりますと、マイセンを代表する、たくさんの小花彫刻を貼り付けて磁胎を装飾する「スノーボール」シリーズのなかにも器に表された動物の作品が、下記の画像のようにあるそうです。
Snowball Jar Lid,Applied Blossom Clusters,Insects, Birds and Openwork
マイセンでは、19世紀末から20世紀初頭にかけて流行したアール・ヌーヴォー様式の流れるような曲線を生かすために、釉薬のなかに特殊な絵具を染み込ませ閉じ込めるイングレイズという絵付技法を用いて、黒や茶、白などの微妙なニュアンスの色をかもしだした動物の彫像を作ったそうです。
下の毛づくろいする子猫の彫像には、猫のしなやかさや柔らかい毛の質感がよく表現されているということですが、同感です。
Kitten Grooming itself
同館によりますと、次の2点は1910年代から30年代にかけて、フランスを中心にヨーロッパ各地で流行した装飾様式、アール・デコ(Art Deco
Reynard the Fox
)時代の彫像だそうです。アール・デコはそれまでのアール・ヌーヴォーにみられた植物装飾や曲線美とは対照的に、単純化された形態やシンメトリーの直線による幾何学的なパターン、立体構成が特徴だそうです。
Otter
○©錦光山和雄
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