龍潭寺庭園
Ryotan-ji Zen Buddhism Temple Garden
遠州浜松の臨済宗妙心寺派の名刹、龍潭寺の庭園は小堀遠州の作と伝えられていま
す。
庭園の五つの築山のなかで一番高い築山の中腹には、下の写真にありますように、ご
本尊をあらわす守護石が置かれ、その左右に脇侍仏の石が配され、三尊石が据えられて
おります。また庭の左右には仏の番人を表す仁王石が配されております。
三尊石組
Triad stone
左の仁王石
右の仁王石
池の形は仏の心をあらわす心字池となっており、下の写真にありますように、池の手
前にひとつだけ平らな石があり、それは礼拝石(座禅石)と呼ばれており、池のなかに
は海上遥かに仙人が住むと言われる蓬莱の島を表す岩島が佇立しています。蓬莱の島の
背後の築山に見られるのは枯山水の石組であります。
礼拝石(座禅石)と蓬莱岩島、および枯山水
蓬莱岩島の右手には、下の写真にありますように、大亀が海に向かって泳いでいく姿
をあらわした亀出島があり、さらにその下にある写真が築山全体が鶴をあらわした鶴出
島であります。
このようにご本尊の守護石を据え、心の字をかたちどる心字池を配し、礼拝石を置
き、蓬莱岩島を池に配置するのが寺の庭の特徴だそうで、右側の東に石が多く西に行く
にしたがって石がまばらになっていくのは近景、遠景を意識した庭のつくりで、仏の広
い心をあらわしたのであると言われています。
縁側に座って庭を眺めていますと、築山の庭木がさつきなどに限られており、邪魔な
ものをすべてそぎ落としているようで、心が落ち着き、くつろげる庭でありました。
なお龍潭寺はNHKの大河ドラマ「おんな城主 直虎」の舞台になったところで、二十
二代井伊直盛の一人娘井伊直虎が龍潭寺の南渓和尚の計らいで女城主として二十四代井
伊直政を後見人として養育し、のちに井伊直政は徳川家康に仕え、井伊の赤鬼と恐れら
れる活躍をして徳川四天王の筆頭に出世し、関ヶ原合戦の後、彦根に移ったと書かれて
おりました。
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