東京国立近代美術館(The National Museum of Modern Art TOKYO)で開催中の
「MOMATコレクション(Museum Collection Gallery)」展におきまして
七代錦光山宗兵衛(Kinkozan SobeiⅦ)の
上絵金彩花鳥図蓋付飾壺(Jar with lid, flower and Bird design, overglaze enamels and
gold)が展示されおります。
今回の七代錦光山宗兵衛のこの作品は、
胴の中央部に牡丹の花が大きく描かれ、周りには鶴とともに朝顔や萩、ススキなどの草
花が描かれています。牡丹の脇からは花が咲いた木がありますが、この花木がなんなの
か迷うところですが、どうも梅や桜ではないようなので、あるいは海棠(かいどう)で
はないかと思われますが、写真の海棠と比べますと、壺の花木の花の色はやや薄いよう
に見受けられます。
紅(くれない)に 咲き誇る 海棠(かいどう)
泉屋博古館分館で開催されている「華ひらく皇室文化」展において展示されています
六代錦光山宗兵衛の「色絵金彩花鳥文花瓶」(霞会館蔵)見ますと、
壺の中央には牡丹、その周りには朝顔、菊などが描かれており、東京国立近代美術館の
七代宗兵衛の作品と意匠の趣きがきわめて似ていることに驚かされます。
もっとも、七代宗兵衛の作品は鶴が描かれていますが、六代宗兵衛の作品は、鶴では
なく瑠璃地の小鳥、それはもしかしたら翡翠(かわせみ)かと思われる小鳥が飛んでい
るといった違いがあります。また花木も七代はおそらく海棠であり、六代のは花弁が開
いているので梅ではないかと思われ、もしそうであれば花木も違うことになります。
こうように両作品には違いがあるのですが、全体的に受ける印象がとても似ていて、
まるで七代宗兵衛が、父である六代宗兵衛作品のオマージュをつくったのではないかと
思われるほどです。
どちらがいいか、それぞれの良さはあると思います。ただ、孫のわたしといたしまし
て、六代宗兵衛作品の方が、牡丹や梅などの朱の色の濃淡があざやかであり、華やかで
愉しさがあるように感じられます。
今日は東京国立近代美術館の周囲は桜が綺麗でした。
明日、新元号が発表されるので、
さよなら、平成
Good-bye Heisei
とお別れの言葉を述べておきます。
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