『粟田、色絵恋模様』
わたしの拙著で恐縮ですが、
この本は帯裏にありますように
「十三歳の祇園の舞妓、千恵とお民は、舞妓の店だしの日、巽橋の上で『どっちが祇園一の舞妓になるのか勝負せなあかんのや』と対峙する。そこから二人は京都を代表する粟田焼の窯元・錦光山宗兵衛を巡って争い、思いもよらぬ運命の糸にもてあそばれるように変遷を繰り広げていく…」のであります。
天才的認知科学者・苫米地英人博士および芥川賞作家南木佳士氏ご推薦であります。
ちなみに『ダイヤモンドダスト』で芥川賞を受賞した南木佳士氏は、
「この2日間で一気に読了しました。京都の伝統ある窯元の終焉の過程と祇園の女たちのたくましい生きざまが過不足なく描かれており、一級の小説でした。これほど引き込まれた小説には久しぶりに出会いました。時代を担った一族の物語を書き残しておきたい、との二代にわたる強い想いを支えるしっかりとした筆力あっての一冊であり、敬服いたします」 と過分なお言葉をいただきました。
『粟田、色絵恋模様』という小説は、京都を舞台にした祇園の舞妓たちと京都の粟田焼の歴史が交錯する物語であります。
なお、表紙の装丁ですが、
この物語の世界が感じられるように、真ん中に、わたしの祖父、七代錦光山宗兵衞の「花蝶図大鉢」を配しました。
この花蝶図大鉢は当初、京都の三年坂美術館の所蔵でしたが故村田理如館長が京都国立近代美術館に譲渡されまして現在は同館の所蔵となっております。

また、花蝶図大鉢の周りのブルーは、祖父の錦光山宗兵衞が典型的な京薩摩の作品によく使っていた瑠璃色を右下から左上に向けて少しずつ明るくなるようにグラデーションをかけています。
どうぞよろしくお願いします。