錦光山和雄の「粟田焼&京薩摩」Blog

京都粟田窯元で「京薩摩」の最大の窯元であった錦光山宗兵衛の孫によ

Amazonだけでなくリアル書店でも

 

   Amazonだけでなく

  リアル書店でも

 

『粟田、色絵恋模様 京都粟田焼窯元錦光山宗兵衛外伝』

 発売中です。

 

画像

 

 それだけでなく、錦光山宗兵衛の評伝で正伝でもある

 

『京都粟田焼窯元錦光山宗兵衛伝 世界に雄飛した京薩摩の光芒を求めて』 も併せて絶賛発売中です❣❣

 

『粟田、色絵恋模様』は

錦光山宗兵衛の家族や周りの祇園のおんなたちの

人間模様が描かれた小説で

 

宗兵衛の外伝ともいえるもので

正伝の姉妹編といえます!

画像

  

  大手書店だけでなく、

  街の書店さんも頑張ってください! 応援してます❣ 

 

             *

 

 さて、五歳の少年の叫びが、あなたもに届くだろうか⁉

 

  "なあ、あんた、ここにおいやす方、

  どなたか知っとるかと、

  お民は自分の背後の方を指さしてみせた。

  雄二は爪先を立て、

  伸び上がって小部屋のなかをじっと覗いて見た。

  うす暗い部屋のなかに男がひとり座っているのが見えた

  が、

  夏の陽にさらされた眼には誰なのか、はっきりとは見えな

  かった。

 

 「あて知らん」と頭を振ってみせた。

 「知らんことおすかいな」と、女は大きな笑い声を立てた。

 「あんたのお父さんどすがな、よう覚えておかなあかしまへ

  んがな、宗兵 

  衛さんというお方どすえ」

 

  雄二はびくっとした。

  なぜ父がこんなところにいるのだろうか。

  

 

  眼を凝らして見ると、

  時々、母の家へやってくる父なる人であった。

  ピンとはね上がったヒゲの下で口元をすぼめるようにして

  笑っている"

 

 

  ”もうすぐ、そこに母の家もあると思うと、

  激しく胸が高鳴り始めた。

  母と会えたら、母の胸に顔を埋めたい。

  そして母に言おう、

  何してたんやお母ちゃん!

  長い間、あてを放ったらかしといて、

  あほッ!” 

 

 

  ”二年間、一度も会いに来ずに、

  一言の言葉をかけることなく、

  お母が死んでしまう、

  お母はそんな血も涙もない女(ひと)やない!”

 

 この物語は出生に苦しむ少年の成長物語であり

 逆境にめげずに生きる祇園のおんなたちの物語であり

 現在の不安に満ちた時代を生きる人々への応援歌でも

 あります。

 

画像

画像

 〇©錦光山和雄 All Rights Reserved

#京都 #工芸 #小説 #陶芸 #京焼 #粟田焼 #京薩摩 #SATSUMA#祇園 #花街 #舞妓 #芸妓 #粟田口 #開拓社 #錦光山宗兵衛#錦光山和雄 #粟田色絵恋模様 #錦光山宗兵衛外伝 #京都粟田焼窯元錦光山宗兵衛伝 #小説が好きな人とつながりたい #おすすめの本