錦光山和雄の「粟田焼&京薩摩」Blog

京都粟田窯元で「京薩摩」の最大の窯元であった錦光山宗兵衛の孫によ

2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「少年が来る」ノーベル文学賞作家、ハン・ガン(3)

この小説は、光州事件を舞台にした小説です。 光州事件とは、ネットおよび映画「光州5・18」、「ソウルの春」によると、韓国の全羅南道の光州市で1980年5月18日から27日にかけて、全斗煥の賭けともいえる強行策で軍事クーデターを行い、それに抗…

秋を詠む

道を歩いていると 枯葉が空中に浮いたまま風に吹かれてはためいている もしかしたら蜘蛛が枯葉が落下するのを惜しんで 細い蜘蛛の糸でうけとめたのだろうか 空は見上げなければ見えないと思っていたが 雨上がりの日に下を見たら空が見えた 落ち葉散る水たま…

「菜食主義者」ノーベル文学賞作家、ハン・ガン(2)

ブッカー国際賞を受賞したというハン・ガンさんの「菜食主義者」という小説はちょっと不思議な小説でした。 この小説は、菜食主義者、蒙古班、木の花火という視点の異なる三編の中編小説でなりたっていて、それが一つの長編小説にもなっています。そこまで書…

張良澤先生「苦悩する日本滞在の記」

11月16日、愛知県立大学長久手キャンパスで開催された国際シンポジウム「台湾白色テロ期の日本・台湾の文化アイデンティティの交流及び選択と再編」に出席しました。 わたしが台湾に興味を持ったのは、学生時代の恩師西川潤先生のお父様の詩人で作家の西川満…

東京国立博物館で錦光山宗兵衛作「色絵金襴手鳳凰文飾壺」がご覧になれます❣

わたしの祖父、七代錦光山宗兵衞が明治25年(1892)のシカゴ・コロンブス世界博覧会に出品した「色絵金欄手鳳凰文飾壺」が東京国立博物館の1階14室で開催されている「やきものを彩る金と銀」展(会期2024年10月22日〜12月1日)に展示されていて見ることがで…

「すべての、白いものたちの」 ノーベル文学賞・作家ハン・ガン(1)

"> ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんの『すべての、白いものたちの』を読んでみました。 この小説は、第1章が「私」、第2章が「彼女」、第3章が「すべての、白いものたちの」と独特な章構成になっています。 第1章 私 冒頭は「白いものについて書…