第二次世界大戦末期、
内蒙古からチベット、インドと1800キロに及ぶ行程を
ラマ教の巡礼僧に扮して潜入し、
8年にわたって黙々と歩いた「密偵」の苦難に満ちた旅の話で、
今となっては
どうでもいいと言えばどうでもいいような話なのだが、
その旅人の孤高の姿が
すがすがしくて
一陣の風が吹き去ったような
読後感がのこる。
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