錦光山和雄の「粟田焼&京薩摩」Blog

京都粟田窯元で「京薩摩」の最大の窯元であった錦光山宗兵衛の孫によ

番外編 斎藤史郎の世界ー時代が変わっても変わらぬ世界を描く

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上野に斎藤史郎氏の絵を見に行った。

 斎藤史郎氏は、気鋭のジャーナリストで、当時最高機密であった公定歩合政策をスッパ抜き株価が暴落、また「官僚」の連載を企画し新聞協会賞を受賞、日本経済新聞社の経済部長、編集局長、専務取締役および日本記者クラブ理事長、日本経済研究センター会長を歴任した方である。現在は画家である。

 財界関係で何人か絵の上手な方を知っているが、斎藤史郎氏ほど独自の絵画世界を築き上げた方は少ない。卓越している。

 私は「斎藤史郎ワールド」が好きだ。

 斎藤史郎氏が描く世界は、海、断崖、古い小屋、廃屋、老人、老婆である。斎藤史郎氏は、切り立った厳壁、揺るがぬ岩塊、その向こうには荒れた海。人間であれば、その顔に歴史が刻まれ、にせものを許さない 老人や老婆に惹かれるという。

 斎藤史郎氏は、時代が変わっても変わらぬ、風雪に耐えた揺るぎのない強さ、確かさを描き続けている。それはもしかすると、世の中の空気に流される人間の弱さを強く感じているからかもしれない。ジャーナリストとして「時代を追い、時代と距離を置く」ことの難しさを身にしみて感じてきたからかもしれない。

 添付画像は第57回二元展において文部科学大臣賞を受賞した、スペイン・バスク地方の断崖を描いた「ガステルガチェの断崖」(P130号)と北部イタリアの廃屋を描いた「野垂れてもなお」(F100号)である。

 前者の色彩と構図には圧倒される思いであるが、後者の朽ち果てたような廃墟の佇まいからどこか温かみが感じられる。それは失われていくものへの限りない哀惜と斎藤史郎氏の人柄がにじみ出ているからかもしれない。

 

なお、「斎藤史郎アートギャラリー」

s-saito-artgallaery.com/

の『ご意見・ご感想欄」において「斎藤史郎氏の描く陰影の世界」を記載していますので

併せてお読みいただけたら幸いです。

 

 

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