錦光山和雄の「粟田焼&京薩摩」Blog

京都粟田窯元で「京薩摩」の最大の窯元であった錦光山宗兵衛の孫によ

アール・デコの華麗なる世界

 東京都庭園美術館「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペルーハイジュエリーが語るアール・デコ」展

 今年は1925年にパリで「アール・デコ博覧会」とも呼ばれている「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」が開催されて100周年になると言います。
 わたしの祖父七代錦光山宗兵衞が、1900年にパリ万博を視察しアール・ヌーヴォーに衝撃を受けたことから、アール・ヌーヴォーには関心を払ってきましたが、アール・デコは装飾的すぎるのではないかと今ひとつ興味が持てませんでした。


 しかしながら、建物自体がアール・デコ様式で建てられた東京都庭園美術館で、アール・デコの精華ともいう「永遠なる瞬間 ヴァン クリーフ&アーペルーハイジュエリーが語るアール・デコ」展が開催されているというので見に行くことにしました。


 この庭園美術館というのは、朝香宮夫妻(久邇宮朝彦親王の第8王子鳩彦王明治天皇の第8皇女允子内親王と結婚)が、アール・デコ様式が花開くフランスの芸術や文化に触れながら2年半あまりパリで過ごし、また「アール・デコ博覧会」に感銘を受け、帰国後、アール・デコ様式を取り入れた邸宅を建設、1933年に完成した旧朝香宮邸であります。

 長いアプローチを歩いて行くと、白亜の建物が現れます。正面玄関のエントランスの床一面には、細かい幾何学模様のモザイクタイルが敷きつめられ、正面には半透明なガラスレリーフ扉には有翼の女性像がうっすらと見えます。

 

 

 

 

 

 

   

 建物のなかに入って感じることは、何といっても圧巻は大広間の隣りの部屋にある白色の香水塔ではないでしょうか。黒漆の柱や朱色の壁とあいまって華やかアール・デコの空間となっているのです。

 

©日本経済新聞社 The STYLE

 


  

 館内は撮影禁止であり、わたしは陶芸家の小森忍が製作した第一浴室の床のモザイクタイルを見学したかったのですが、今回は見学不可ということで残念でした。ただ庭園美術館という名がついているだけあって、庭には日本庭園、西洋庭園があり、鮮やかな紅葉に彩られておりました。

 

 

 

   ところで、アール・デコ様式というのは、1910年代から30年代にかけてフランスを中心にヨーロッパを席巻した工芸・建築・絵画・ファッションなどに波及した装飾様式の総称であると言います。アール・ヌーヴォーが、急速に進む工業化への反動から複雑に絡み合う曲線が多用されたのに対して、アール・デコは直線的でシンメトリー、立体的で知的な構成と、幾何学的模様が特徴だと言います。第二次大戦後は装飾を排したモダニズムに代わり、短期間のムーブメントだったと言います。

 ヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーは、まさに繊細な美の世界の極致であり、そのなかでも、やはり壁面に花のデザインが施されている大食堂に展示されていた、1925年の「アール・デコ博覧会」でグランプリを受賞した「絡み合う花々、赤と白のローズブレスレット 1924年」が圧巻でした。バラをモチーフにした歴史に残る名作という評価は納得できました。

 

©日本経済新聞社 The STYLE


 また「ミステリーセット」という、石の側面に溝を彫り、専用のレールに宝石を滑り込ませて、宝石を留める爪を見せない技法のジュエリーが展示されており、匠の技を垣間見ることができました。

 

「ヴァン クリーフ&アーペルーハイジュエリーが語るアール・デコ」パンフレットより

 

   最後にわたしの祖父七代錦光山宗兵衞もアール・ヌーデコの作品を制作していますので、ご紹介させていただきます。

 

「ロイヤルニシキと錦光山-錦光山工房のアールヌーボーアールデコ」葵航太郎

「ロイヤルニシキと錦光山-錦光山工房のアールヌーボーアールデコ」葵航太郎

「ロイヤルニシキと錦光山-錦光山工房のアールヌーボーアールデコ」葵航太郎

「ロイヤルニシキと錦光山-錦光山工房のアールヌーボーアールデコ」葵航太郎

「ロイヤルニシキと錦光山-錦光山工房のアールヌーボーアールデコ」葵航太郎

 

   京焼および錦光山のことに関して詳しくは

 拙著:評伝「京都粟田焼窯元 錦光山宗兵衛伝 〜世界に雄飛した光芒を
       求めて」
    小説「粟田、色絵恋模様」

 

 

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