錦光山和雄の「粟田焼&京薩摩」Blog

京都粟田窯元で「京薩摩」の最大の窯元であった錦光山宗兵衛の孫によ

秋を詠む

道を歩いていると

枯葉が空中に浮いたまま
風に吹かれてはためいている

もしかしたら蜘蛛が枯葉が落下する
のを惜しんで

細い蜘蛛の糸でうけとめたのだろうか

 

 

空は見上げなければ見えないと
思っていたが

雨上がりの日に下を見たら
空が見えた

落ち葉散る水たまりに
秋の空が映っていた

水たまりをまたぐと
自分の黒い影がゆらいでいた

 

 

 

紅く紅葉した葉っぱの先に
いくつも雨のしずくが光っている

だれかがたくさん流した涙をおき忘れたように

 

 

水面がほんの少しゆれる
メダカが水面ちかくに顔を出すのか

晴れているようにみえて
見えないくらいの天気雨が
水面を打っているのかわからない

 

 

深い秋の夜
夢をみた
自分の臨終の場面だった

 

辞世の句を詠んだ
言葉をつくして
わが魂を解き放ったり

 

 

みかんの皮をむくと瀬戸内海の
海のかおりがした

みかんの果肉をほおばると
瀬戸内の太陽の果汁が
くちいっぱいに
ひろがった

因島みかんには
瀬戸内海がいっぱい
つまっている

 

 

 

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