錦光山和雄の「粟田焼&京薩摩」Blog

京都粟田窯元で「京薩摩」の最大の窯元であった錦光山宗兵衛の孫によ

世界的CGアーティスト・河口洋一郎氏のアートとサイエンスが融合する世界

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 河口洋一郎氏の「国際栄誉賞受賞並びにシーグラフ殿堂入りを祝う会」にご招待を受けて参加してきました。
 河口洋一郎氏は1970年代後半からコンピュータを使い、アルゴリズムを研究してCGの映像作品を作り始め、2000年頃からは深海宇宙生命体の立体造形作品を作っておられるサイエンティスト(20年間東京大学大学院教授、今年から名誉教授)でありアーティストであります。
 サイエンティストとアーティストの組み合わせが奇異に感じられる方に対しては、河口洋一郎氏はレオナルド・ダ・ヴィンチはサイエンティストであると同時に優れたアーティストであったから不思議ではないと言っておられるようです。さらに同氏は「芸術といえど、その時代を表現する時には、その時代の新技術、先端技術を取り込む必要があるのではないでしょうか」とインタビューで答えられていて、その例証として葛飾北斎を挙げて「葛飾北斎は、90歳近くになってからも富士山を描き続けているのです。『富嶽三十六景』というのは、その時代の最先端の版画技術を使って、富士山というテーマを表現し続けた北斎の軌跡なのです。(略)北斎の彫り師や刷り師の技術は当時の世界の最高水準だったわけです」と述べて、アートにおいて常に最先端の技術で作り、作り直していくことの大切さを説いておられる。
 また河口洋一郎氏は、生命体の進化のプロセスを研究して、5億年後の未来に現れる生命体を造形しておられる。それらの生命体が画像に添付してあるように、異形であり、かつ華麗の中にもどこか毒々しいところが含まれています。それは河口洋一郎氏によると、「地球上の生物は、邪悪なものが出てくると、それに対抗してさらに進化をしてきた。その結果、今では毒々しいまでの形や色に進化を遂げている。僕の異形なる芸術生命体は、その毒をも喰らう生々しいまでの強い生命体を表現している。生き残り戦略としての強さだ」と述べておられる。つまり5億年後も生命体がサバイバルしていくためには、生命体の進化のプロセスを研究した結果、そのような異形で毒々しい色彩の生命体にならざるを得ないというのだ。なお、画像のなかにブルーピンクのエギーちゃんがあるが、異形であっても幼時のように丸っこい体形で可愛らしいのは、ほかの惑星に一緒にい連れて行った時に、宇宙人に敵意を示さずにフレンドリーに交流するためだそう^^)。
 そしてそこには河口洋一郎氏の故郷、種子島で子供のころ海で泳いだ時に見たヒトデやサンゴ、巻貝、クラゲなどの海のイメージ、亜熱帯の蝶や鳥、打ち上げられるロケットの先に広がる果てしない宇宙のイメージがあり、深海、宇宙がキーのイメージとなっているようだ。
 さらに私が興味を引かれたのは、河口洋一郎氏がインタビューの中で次のように述べていることです。「現在確立している伝統は凄く重要ですが、その伝統が将来も生き延びるためには、進化のための次の枝葉を持っておく必要があるというのが僕の持論です。日本全国で伝統的なもの作りの存続が危ぶまれていて、後継者が不足している。でも、これらはハリウッドを始め、外国にはないものだからこそ、新たな価値を打ち出せる可能性を秘めている。CGを使った未来型の伝統工芸を提案することで、新しい進化の扉を開けることに貢献できればと思っています」アートとサイエンスが融合することで、なにかブレークスルーできることに繋がることを期待したいものです。
 祝賀会の会場には、オークション会社の日本代表や投資ファンドの代表などが登場して挨拶されたので、どういうことかと思っていたところ、アートギャラリー、WHITESTONEの白石幸生会長のお話ですと、草間彌生さんの作品も15年前には〇〇〇万円程度であったのが現在ではその30~50倍になっているそう。そうなるためには、作品がオークションにかかって相場、つまりマーケット・バリューが定まることが必要、またオークションの際に投資ファンドによる投資が必要ということのようでした。そして最後は名物イベントのSAKE(酒)パーティが開かれ、お開きとなりました。

 

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