錦光山和雄の「粟田焼&京薩摩」Blog

京都粟田窯元で「京薩摩」の最大の窯元であった錦光山宗兵衛の孫によ

夢窓国師茶会とよみがえる「築地明石町」:The Tea Ceremony&A Beauty in the Kaburaki Kiyokata

鏑木清方記念美術館

KAMAKURA  CITY KABURAKI  KIYOKATA  MEMORIAL ART MUSEUM

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 夢窓国師ヲ想フ、瑞泉寺茶会に参加してきました。

 参加した理由のひとつは、石立僧としての夢窓国師瑞泉寺の庭に惹かれたことでした。

 初冬の朝、訪れる人もまだまばらで、本堂の裏側にある錦屛山の崖の中腹にうがたれた座禅窟は開山(1327)以来七百年ちかい時を静かに岩に刻みこんでいるかのように佇んでいました。座禅窟の右側にある滝は、朝は流れておりませんでしたが、午後には訪れた人を迎えるように細い流れを見せておりました。

 池の手前には水仙が植えられており、春のひかりに輝く日々を想わせます。

 夢窓国師のつくる滝は、天龍寺苔寺枯山水は別といたしまして、この瑞泉寺といい、美濃の虎渓山永保寺といい、なぜか瀑布の聞こえるような勢いのある滝ではなく、ともすれば途切れてしまうのではないかと思われるようなか細い流れの滝であります。

 夢窓国師の偈に 

 春光、今日和気を添え、海岸の枯椿もまた花を放(ひら)く

 があるそうですが、そこに戦乱の世を生き、隠棲を好んだ夢窓国師の祈りが込められているのでしょうか。

 

 瑞泉寺庭園

 The Garden of  Zuisen-ji Temple

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   東福寺庭園で有名な重森三玲さまのお孫さんである重森千靑さまはご著書「京都 和モダン庭園のひみつ」のなかで「日本庭園は、美しい自然風景に思いを馳せて作られているということを念頭に置き、さらにその庭園を作り上げた作庭者が、どのような思いを持って作り上げていったのかを読み解いていくことで、その庭園に内在している面白さや美を感じとることができる」と述べられていますが、瑞泉寺庭園も夢窓国師がどのような思いで作ったのか思いを馳せていきたいと思います。

 

 重森千靑著「京都 和モダン庭園のひみつ」

 Kyoto, Design Secrets of Japanese Gardens

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 さて茶会ですが、濃茶席は薄暗い小間茶室「南芳軒」で、亭主の川野様の袱紗(ふくさ)を釜の蓋に投げ落とすような武家茶道遠州流のお点前にて行われました。

 無作法な私が正客をやらせていただき、鴨居に額をぶっけたり、まったく失笑ものでしたが、それでも、川野様の男性的な所作とともに、陰翳の濃い空間に、釜から立ちのぼる湯けむりがゆっくりとたゆたう様子に見とれておりました。湯けむりがこんなにも人にやさしく、幻想的で美しいとは思いませんでした。しっとりとした湯気が静かに立ち上り、人々の喉をうるおすように部屋に広がっていくのです。

 薄茶席は少し明るい茶室「吉祥庵」にて宗徧流のお点前にて行われ、亭主の方の手や指の流れるような美しい所作が、客6名という、ほど良い人数と相まって、かたくるしくない雰囲気で行われました。人と袖が触れ合うほどの近さというものも悪くはないと思いました。

 

 瑞泉寺茶室

 The Tea Room of  Zuisen-ji  Temple

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  茶会のあと、鏑木清方の「築地明石町」の下絵が展示されているとのことで、鎌倉市内の鏑木清方記念美術館を訪れました。

  丁度、同館では「清方と鏡花」展が開催されており、泉鏡花の挿絵を多く描いた清方の絵看板や画室などが展示されており、「築地明石町」の下絵とともに、「樋口一葉の墓」と題された、「たけくらべ」の美登利が作者の樋口一葉の墓参りをするという不思議な絵が印象的でした。

 鏑木清方の描いた樋口一葉肖像画もいつかどこかの美術館で展示してほしいものだと切望いたします。

 

 鏑木清方記念美術館

 KABURAGI KIYOKATA MEMORIAL ART MUSEUM

 

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 鏑木清方の画室

   The Painting  Room of Kaburagi Kiyokata

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 茶会で同席させていただいた小磯さまが、「築地明石町」の展示されている東京国立近代美術館とご縁のある方と知り、「築地明石町」のポーズを取っていただきました。

 小磯さまは「築地明石町」のモデルの江木ませ子さまにも勝るとも劣らない素晴らしい情緒ある佇まいで、現代によみがえる「築地明石町」とも呼べるような、まさに貴重な一枚の写真となりました。

 実はもう一枚、もう少し顔をあげ、横向きになった、涼しげで美しい目元の写った素敵な写真も撮らしていただいたのですが、感激のあまり手元が狂い、残念ながら幻の一枚となってしましました。痛恨の極みであります。

 最後に、茶会で同席になられた方々、河合さま、小磯さま、野口さま、お茶の先生さま、ご亭主の川野さまに心より感謝申し上げます。

 どうも有り難うございました。

 

 「築地明石町」と小磯さま

    Tsukijiakashichou  and Koiso-sam

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 ○©錦光山和雄AllRightsReserved

 

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